本人がやる気になる目標の立て方とは

人の価値観に合わせた目標設定をすれば、どんな人のやる気も引き出せる。

目標設定は難しい

「どうすれば部下のやる気を引き出せるのか?」これは多くの上司が抱える共通の悩みです。目標設定の場面で、上司は部下の意欲を引き出す目標を設定しようとします。しかし多くの場合、それは空回りに終わります。それだけならまだ被害は少ないです。目標が逆にやる気を失わせてしまうことさえ多々あります。たとえば、ある上司が部下に高い理想を描かせようと目標を設定したとします。しかし部下はその目標でやる気になりません。それどころか逆にやる気が下がってしまうようなケースです。あなたには覚えはありませんか?このような失敗はなぜ起こるのでしょうか?

本人がやる気になる目標の立て方とは

価値観の多様性と目標設定の難しさ

価値観は人それぞれ異なり、その多様性は目標設定の難しさを増しています。ある目標がAさんはやる気西、Bさんのやる気を削ぐ、ということがよくあります。たとえば、目標達成をすることでやる気が上がる人もいます。に達成感を見出す人もいれば、同僚との協力や良好な職場環境を重視する人もいます。多様な価値観に合わせた目標設定が求められるのはこのためです。

その目標は相手に響いていますか?

価値観が多様であるとはいえ、すべての人が完全に異なるわけではありません。私たちヒューマンパワー研究所が行った1万人の行動調査がそれを実証しています。この調査を価値観の共通要素で分析し人々を4つのタイプに分類することができました。この分類は、効果的な目標設定のための重要な手がかりとなります。

目標は達成すべきもの

このタイプの人は、目標達成そのものに大きな満足を感じます。具体的な数字や期限が設定された目標が彼らのやる気を引き出します。

目標は高い理想を描き、ワクワクするもの

このタイプは、挑戦的で刺激的な目標に惹かれます。将来のビジョンや大きな夢を描くことが、彼らのモチベーションを高めます。

目標は与えられたタスクをスケジュール通りに正確に果たすこと

このタイプの人々は、計画的で組織的なアプローチを好みます。彼らにとっては、効率性と正確さが重要な目標の要素です。そういう点で彼らは失敗を非常に怖がります。

目標は職場の良好な人間関係とチームのメンタルを保つこと 

このタイプは、チーム全体の士気や協力が重要です。個々の目標よりも、職場全体の和を保つことに重きを置きます。

自分に合った目標はやる気を上げ、成長をもたらす

このように、4つのタイプに応じた目標設定を行えば、全員のやる気を上げられます。具体的には、達成感を求めるタイプには達成感を味わえる目標。高い理想を描くタイプには誰もしたことのない目標。このような目標設定です。また、計画的にタスクを進行させるタイプには、確実に達成できる目標を設定します。協力を重視するタイプにはチーム全体で取り組む目標が適しています。

私たちヒューマンパワー研究所は、このタイプ分類に応じた目標設定の方法を開発しました。すでにこの方法で多くの企業様が成功を収めています。

適切な目標設定がもたらすマネジメントスキルの向上

適切な目標設定のスキルを身につけることは、ほかにもメリットがあります。それはマネージャーの日常のマネジメントスキル全般を向上させるということです。目標設定のプロセスには、チームメンバー一人ひとりの強みや価値観を理解し、それに基づいたコミュニケーションを行う必要があります。このスキルは、リーダーとしての判断力や意思決定能力を高め、チーム全体のパフォーマンスを最大化するうえで欠かせない要素です。

さらに、部下のやる気を引き出す目標設定ができるようになると、彼らとの信頼関係が深まり、日常のマネジメントにおいても指示がスムーズに伝わりやすくなります。結果として、チーム全体の協力体制が強化され、効率的かつ効果的な業務遂行が可能となります。このように、適切な目標設定を習得することは、リーダーとしての成長にも大いに寄与します。

「やる気」が上がれば業績も上がる

やる気に満ちた目標設定は、業績や成績に「正」の効果をもたらすことが多くの研究で示されています。

厚生労働省の調査

たとえば、厚生労働省が実施した調査によると、適切な目標設定が行われた職場では、従業員の業績が平均15%向上することが確認されています(出典:厚生労働省, 2023年「職場環境改善に関する調査」)。

ギャロップ社の調査

目標が従業員の価値観に合致している場合、その従業員のエンゲージメントは2倍以上になることがわかっています(出典:Gallup, 2022年「Employee Engagement Survey」)。一方で、自分に適していない目標を与えられた場合、エンゲージメントが著しく低下し、生産性にも悪影響を及ぼすという結果が示されています。

価値観に合ったやる気で社員の目を輝かせよう

最適な目標は、社員一人ひとりの価値観に合った内容、レベルのものを提供した時に、最も「やる気」を引き出します。価値観が多様であることを理解し、それに応じた目標を設定することで、全員がやる気を持って業務に取り組むことができます。やる気が引き出されたとき、御社が得られるメリットは業績が向上することだけではありません。離職率が格段に下がります。これは採用コスト、育成コストの激減をもたらします。また社員の持っている知見や技術が社外に流出しなくなるため、会社全体の人材育成力、販売力、開発力が驚くほど上がります。

あなたの部下、御社の社員はやる気が引き出されていますか?

もし、あなたのチームや部下の目標設定に課題を感じているなら、ぜひ一度、私たちヒューマンパワー研究所の専門家にどうぞこちらからご相談ください。また「相手の価値観に合わせた目標設定」の概要はこちらに掲載していますので、こちらも併せてお読みください。適切な目標設定の方法を具体化し、企業、部署、チームのやる気を最大限に引き出しましょう。