優秀人材ほど早期退職!社内の人材育成しても定着しない!

若い優秀な人材は自分に必要なスキルを習得するために企業を選び、舅機できたら次に必要なスキルが習得できる企業へ簡単に転職して行く

Ⅰ 人材育成の問題点が変わって来た!

1 従来の人材育成の課題

かつての企業が抱えていた人材育成の課題は以下の通りです。「画一的な教育制度」と「終身雇用を前提にした人材育成モデル」をどう機能させるか。従来の企業は、社員が新人から徐々に成長して行くのを前提にしていました。従って、役職ごとの研修制度。昇格と給与を連動させた報酬させたシステム。などが機能していました。ですから問題はそのステップを昇れない社員をどうするか。昇る能力とスキルをどう社員に合理的に促成的に習得させるかにありました。逆に企業ビジョンは研修を受ける中で、OJTの中で自然に習得されるものでした。

しかし、その画一的な人材育成システムが機能しなくなって来ました。たとえば個々の社員の能力やキャリア志向を反映しない。モチベーション低下が起こる。スキルがそのレベルに達しないため、所定のパフォーマンスが発揮されない。などです。

とは言え、それらは各論として対応できるレベルでした。研修の実施や、メンター導入などのOJTの制度化によってクリアできたのです。

しかし対症療法では、もう対応できない。ほど、この1、2年で人材育成のパラダイムが完全に逆転してしまいました。

2 直近で発生している人材育成の大転換

現代の企業において最大の問題の一つは、優秀な人材ほど早期離職するという現象です。上で企業は終身雇用の中でゆっくり人材育成する制度を機能させていた。と述べました。しかしスキルを習得させた人材が、習得した途端に転職してしまうようになったのです。中には入社してすぐ、ここでは自分の必要なスキルが習得できない。と言って、即退職する新人も現れています。その結果、組織としての持続的な成長が難しくなっています。この問題は、多くの企業が直面しています。特に経営者様、マネージャー様にとっての深刻な課題となっています。

3 若年層社員の中途退社の増加

現代では、若年層の中途退職が増加しており、この傾向はデータでも裏付けられています。例えば、厚生労働省のデータによると、新卒の約30%が3年以内に退職しているという現状があります【引用元:厚生労働省「新卒者の離職状況に関する調査」】。また、特に優秀な人材ほどスキルを短期間で身に着けた後、新しい環境に移る傾向が強まっています。

4 優秀な人材がすぐ辞めることに対するデータ

特に優秀な人材ほど早期に退職することが企業にとっての大きな悩みです。経済産業省の調査では以下のことが分かっています。高度なスキルを持つ人材の約40%が転職を視野に入れているということです。【引用元:経済産業省「人材動向に関する報告書」】。つまり優秀な人材の流出は、構造的な問題であることが分かります。

Ⅱ 問題の本質的な原因

1 東大生が官僚を目指さなくなった

この問題の背景には、いくつかの本質的な要因が考えられます。まず、若年層のキャリア志向の変化が挙げられます。かつてのように「会社に骨をうずめる」という考え方は優秀な人材ほど持っていません。自分のスキルを活かせる。新しいスキルを習得できる。そのような環境を求める傾向が強まっています。優秀な人材ほど自身のキャリアパスを明確に考えて行動しているのです。東大から国家公務員に進む人材が減少している現象もこの1つです。【引用元:日経新聞「国家公務員離職率の上昇に関する調査」】。

2 優秀な人材ほど、企業はスキル習得するだけの場所、と考えている

優秀な人材は、必要なスキルの習得後は、次に必要なスキルの習得を考えています。企業はスキルを習得させるための手段なのです。スキルを得た後は次の企業へ移るというキャリアパスが一般的です。優秀な人材は就職先を「企業」で判断しません。「そこで何が習得できるのか」で選びます。彼らはスキル習得の最短ルートを選んでいるのが現実なのです。

3 各論的な原因と考察

①キャリアパスの重視

優秀か否かに限らず、若年層は自分を企業がどう育ててくれるのか、に関心があります。従って自分のキャリアパスをしっかり見せてくれない企業には魅力を感じません。逆にそれを見せてくれれば、目の前の仕事に対するモチベーションも上がります。

②リーダーシップ不足

優秀な人材は、自身を導く強力なリーダーやメンターを求めています。企業内でそのような人物が不在の場合、早期退職に繋がります。

③ワークライフバランスの欠如

現代の若手社員は、働き方改革を意識し、ワークライフバランスを重視しています。過剰な労働や不十分な柔軟性が、離職の原因となることが多いです。

④企業文化とのミスマッチ

若手社員や優秀な人材は、ボランティア経験者が豊富です。従って企業の社会性を重視しています。ですから企業のビジョンや価値観に強く共感できなければ、早期に離職する傾向があります。

Ⅲ 各論の解決策と実行手順

1. スキル志向に対応するキャリアパスの提供

考え方

優秀な人材は自身のキャリアパスを明確に描いています。ですから企業は社員に対して明確な成長機会を提供することが必要です。スキル習得後も新たなチャレンジができるキャリアプランの提示。社内での役割の変化を積極的に提案することが効果的です。

実行手順:

  • 各社員のキャリア志向や目標を定期的に確認する。
  • 社内でのスキルアップや異動の機会を提供する。
  • 社員のスキルセットに合わせた個別の成長プランを策定する。
  • 企業内で長期的なキャリアを描ける環境を作る。

2. 強力なリーダーシップの育成

考え方

優秀な人材ほど、強力なリーダーに導かれることを求めています。リーダーシップを持ったマネージャーやメンターの存在は業績向上をもたらします。そして同時に人材の定着率を高めることにも繋がります。

実行手順:

  • 社内でのリーダーシップ研修を実施し、マネージャークラスの能力を強化する。
  • メンター制度を導入し、優秀な人材が相談できる環境を整える。

3. 企業文化の再構築

考え方

企業文化の共有と浸透が、優秀な人材の定着に大きく影響します。社員が共感できるビジョンや価値観を明確に発信ししょう。そしてただの掛け声に終わらせず、日々の業務に反映させるシステムを作ることが重要です。

実行手順:

  • 定期的なワークショップなどで、企業のビジョンや価値観を社員に共有する。
  • どの仕事も企業ビジョンの実現に貢献している、という意識が持てるように設計する。
  • 企業ビジョンに反する業務は廃止、改訂する。
  • 個々の社員が企業文化に共感し、自らの役割を実感できる機会を提供する。

Ⅳ 労働価値観の変化に対応した人材育成戦略

1 優秀人材の「スキル志向」のトレンドは変えられない

「優秀な人材ほど離職率が高い」という現象は、個別論ではありません。労働価値観の大きな変化を背景にしています。かつては企業は安定した雇用を与え、従業員は企業への忠誠心を持っていました。現代の若い優秀な人材は、仕事の目的や自分の成長に重きを置く傾向が強まっています。

これにより、「自分が必要とするスキルを最短で習得し、その後は別の成長機会を求めて転職する」というキャリア志向が顕著になっています。このトレンドは、特にテクノロジーの進化とグローバル化により、キャリアの選択肢が広がったことや、個人のスキルに対する価値がますます重要視される時代の流れと一致しています。

2 自社の人材育成戦略をパラダイムシフトさせなければ優秀人材は得られない

こうした背景を理解せず、従来の「長期雇用を前提とした人材育成モデル」を前提に人材育成戦略を立案しても、効果は労力に対してほとんど上がりません。それでも各論の修正やブラッシュアップで対症療法的に対応しようとすると、逆に人材育成担当の方がつぶれてしまいます。

さらに、それによって企業は優秀な人材を失うリスクが高まります。

人材がスキルを磨く場として企業を選ぶ以上、企業側も「成長支援」を重視した戦略にシフトする必要があります。単に教育や研修を提供するだけでなく、個々のキャリア志向に応じた育成プランを用意し、その人材が何を求めているのかを理解すること。自社でそのステップを用意すること。自社で無理ならほかの企業と協働して、スキル習得ステップを企業の壁を超えて構築すること。など、従来の常識を覆す方策の検討が必要です。

例えば、特定のスキルセットを向上させるためのプロジェクトに参加させる、業界内で評価される資格取得の支援を行う、さらに自社内外でのキャリアの選択肢を広げるといった施策が考えられます。これにより、優秀な人材が「企業内で成長できる」という価値を見出し、離職を避ける可能性が高まるでしょう。

3 人材育成戦略の総論から各論まで私たちにお任せください

①総論も各論も豊富な経験を持っています。

以上のようなことをトータルで企業様、経営者様、人材育成担当者様と一緒に考えられる企業は余りありません。どこも「コーチング」など各論のそのまた細かい戦術レベルの研修実施などを専門にしているところばかりです。

しかし私たちは、自分たちが企業の人材育成担当として戦略立案から研修会呼格・実施の経験、企業の全体戦略を策定し実行した経験など、総論から各論まで全て実践し、外部のコンサルでは分からない、企業の一員として見ないとつかめない勘どころが分っています。

同時に企業の中にいてはなかなか分からない、日本あるいは世界の人材育成のトレンド、ビジネスマンのマインドのトレンドも分かっています。

②まずはお気軽にご相談ください

ですから、企業様、経営者様、人材育成担当者様と一緒に個々の企業様で異なる、御社ならではの問題の「へそ」を見つけます。そしてそれを解決するための総論から、教育システムはどうする、オンラインセミナーをどう立ち上げる、と言った各論の立案、実施までサポートいたします。

ここまでできるところは、ほかにはあまりないと思います。

ぜひ以上のようなことに問題を感じられる場合はこちらまでご相談ください。「原因は分からないが、最近若手が辞めていくので困る」と言う段階でももちろん結構です。

また私たちがどのように御社をサポートさせていただくのか、についてはこちらをご覧ください。